フリーランスエンジニアとして働き始めると、年収や単価と同じくらい気になるのが「経費率はどれくらいになるのか?」という点です。会社員の頃は経費という概念を意識することは少ないですが、フリーランスになると、仕事に必要な支出は自分で管理し、確定申告で処理する必要があります。
私はフリーランスエンジニアとして約1年活動した後に法人化し、現在は法人として約3年ほどエンジニア業を続けています。個人事業主としての経験と法人としての経験、両方を経て感じるのは「経費は節税のためだけでなく、事業を安定させるための重要な要素」ということです。
この記事では、フリーランスエンジニアの経費率の目安や、経費として計上できるもの、注意点、そして経費率をどう捉えるべきかについてまとめます。
経費率とは?フリーランスにとって重要な指標

経費率とは、簡単に言うと「売上(年商)に対して経費がどれくらい発生しているか」を表す割合です。
計算式は以下の通りです。
経費率(%)= 経費 ÷ 売上 × 100
例えば、年商800万円で経費が80万円なら、経費率は10%になります。年商1000万円で経費150万円なら、経費率は15%です。
フリーランスエンジニアの場合、業種的に仕入れがほとんど発生しないため、経費率は比較的低めになりやすいのが特徴です。
フリーランスエンジニアの経費率の目安はどれくらい?

フリーランスエンジニアの経費率は、人によって大きく差が出ます。ただ一般的には、以下の範囲に収まることが多い印象です。
- 経費率5%〜15%程度:よくある水準
- 経費率15%〜25%:学習投資が多い・自宅以外で働く人
- 経費率30%以上:かなり特殊(設備投資が多い・事業形態が違う)
エンジニアは基本的に「パソコン1台あれば仕事ができる」職業なので、飲食業や物販などと比べると経費率が低くなりやすいです。
ただし、経費率が低いから良い、高いから悪いという単純な話ではありません。
経費率が低いフリーランスの特徴

経費率が低い人の特徴として多いのは、以下のようなタイプです。
- 自宅で仕事をしている(家賃按分が少ない)
- 書籍や教材への投資が少ない
- 移動が少なく交通費がほとんどかからない
- PCや周辺機器を数年に1回しか買わない
例えばフルリモート案件中心で、家で作業し、必要最低限の支出だけで仕事を回している場合、経費率は5%前後になることもあります。
経費が少ないということは、利益が残りやすいという意味でもありますが、一方でスキルアップへの投資が少なくなりすぎると、将来的に単価が伸びにくくなる可能性もあります。
経費率が高いフリーランスの特徴

経費率が高くなるケースとして多いのは、以下のようなタイプです。
- 有料スクールや資格取得に投資している
- 勉強会やイベント参加が多い
- コワーキングスペースを契約している
- PCやガジェットを頻繁に買い替えている
- 出社案件が多く交通費がかかる
特に学習意欲が高い人ほど、書籍代、Udemyなどの教材費、資格試験費用などが積み上がりやすいです。
また、作業効率を上げるためにデスクやモニターなどの環境投資をすると、一時的に経費率が上がることもあります。
経費が増えると利益が減るように見えますが、その投資が将来的に単価アップにつながるなら「良い経費」とも言えます。
フリーランスエンジニアが経費にできる主なもの

フリーランスエンジニアの場合、経費にできるものは比較的わかりやすいです。代表的な例としては以下があります。
- PC、モニター、キーボードなどの機材
- 通信費(インターネット、スマホ代の一部)
- 書籍、オンライン教材、技術書
- 勉強会、イベント参加費
- コワーキングスペース利用料
- 交通費(現場への移動)
- 会計ソフト利用料
- 電気代(在宅勤務の場合は一部按分)
- 自宅家賃(事業利用分を按分)
特に在宅ワークが中心の人は、家賃や光熱費を「家事按分」することで経費にできる場合があります。ただし按分割合は合理的である必要があり、根拠が曖昧だとリスクになります。
経費率を上げれば節税になるが、やりすぎは危険

フリーランスになると「経費を増やせば節税できる」という話をよく聞きます。確かに、経費を計上すれば課税所得が減るため、税金は下がります。
しかし、経費を使った分だけ手元の現金が減るのも事実です。
例えば、10万円の経費を使っても、税金が10万円分丸々減るわけではありません。税率にもよりますが、実際に減る税金は数万円程度であることが多いです。
つまり、節税目的で無駄な買い物をすると「税金は少し減ったけど、現金が減っただけ」という状況になりがちです。
経費はあくまで「事業に必要な支出」であることが前提なので、節税のために無理に増やすのはおすすめできません。
経費率は「高い・低い」よりも「中身」が重要

フリーランスエンジニアの経費率は、単純に数値だけ見ても意味が薄いと感じています。
例えば経費率が20%でも、その内容がスキルアップの教材費や業務効率化の設備投資なら、将来的に単価アップにつながる可能性があります。一方で、経費率が高くても、内容が曖昧で説明できない支出が多いと、税務上のリスクが増えます。
重要なのは「経費として説明できるか」「将来の利益につながるか」です。
経費率を適切に管理するために意識すべきこと

経費を適切に管理するためには、以下のような習慣が大切です。
- 領収書やレシートを必ず保管する
- 事業用とプライベート用の支出を分ける
- クレジットカードや口座を分けて管理する
- 家事按分は根拠を明確にする
- 毎月経費を記録して把握する
確定申告の時期になってまとめて処理すると、漏れやミスが起きやすくなります。日々の記録を習慣化することで、経費管理が楽になります。
フリーランスエンジニアの経費率は5〜15%が目安、ただし重要なのは内容

フリーランスエンジニアの経費率は、一般的に5%〜15%程度が多い傾向があります。学習投資や設備投資が多い人は15%以上になることもありますが、エンジニア業は仕入れがない分、他業種ほど高い経費率にはなりにくいです。
ただし、経費率は高いか低いかだけで判断するものではなく、重要なのは経費の中身です。将来の単価アップや生産性向上につながる支出は、結果的に自分の市場価値を上げる投資にもなります。
私自身、フリーランスとして1年活動した後に法人化し、法人として3年経験してきましたが、収入が上がるほど経費管理の重要性も増すと実感しています。
経費率を上げることが目的ではなく、「適切に管理して手取りを最大化する」ことが、フリーランスにとっての正解だと言えるでしょう。


コメント